パソコンに向かい黙々と仕事をしている時間が長いため、「コミュニケーション能力はいらない」というイメージが強いSEやエンジニア。
しかし、現在はどんな職種でも「コミュニケーション能力」をハッキリと求められる時代です。
電話やメールだけでなく、チャットツールなどを用いてプロジェクトを進められる現代だからこそ、対面でのコミュニケーション能力が要求され、それはSEやエンジニアも例外ではありません。
むしろコミュニケーション能力があるかどうかで、有能なSEやエンジニアであるかどうかが決まる、といってもいいでしょう。
そこで今回は、SEやエンジニアに特に求められる2つの対面コミュニケーション能力について解説していきます。
1.顧客との要件定義をまとめるコミュニケーション能力
要件定義とは、要求の解決策を決めることがゴールです。
顧客と要件定義を決定する際には、次の6つ項目が重要になります。
- 「(What)どんなものを」
- 「(Where)どこから」
- 「(Who)誰が」
- 「(When)いつまでに」
- 「Why(どういう理由で)」
- 「(Howどうするのか)」
そしてSEやエンジニアは、この「5W1H」を顧客から丁寧に聞き出す必要があるのです。
しかし、顧客の実際のニーズとSEやエンジニアの完成像のイメージは、想像するよりもズレていることが多く、要件定義をしているつもりが要求を訊いただけになっている、なんてこともしばしば。
5W1Hを意識しながら、業務フロー、シーケンス、ユースケースを練っていくことが望ましいですが、それ以前に業務仕様を文章に書き出し、足りていないものをしっかりと把握することが大事です。
そうすることでユーザー部門との食い違いがなく、業務フローやユースケースなどの成果物が充分なものとして仕上がります。
対面コミュニケーションの前段階で、コミュニケーションを円滑に進める資料をしっかりと仕上げることも、対面コミュニケーションに必要な要素です。その上で、クライアントとの打ち合わせに望みましょう。
「なんかいい感じに」といった曖昧な要求は絶対に残さないことが肝要です。
2.成果物をしっかり説明し、納得させる能力
成果物をなんとか作り上げた先には、必ずレビューを受けなければなりません。
その際に求められるものは成果物の完成度よりも、成果物への説明を正しく、簡潔に、的確に行なう能力です。
どんなに完成度の高い成果物を作ろうとも、関係者に納得してもらわない限りは完成とは言えません。
レビューでは正当な指摘もありますが、本質ではないと感じるようなものもあります。
しかしそれも指摘は指摘です。
回答をしなければなりません。
本質ではないような指摘を受けた場合は、
- 指摘をした人がどのように考えているのか
- どこに納得できずその指摘をしたのか
ということを、対話から引き出し、上手くかわしていくことで納得させる能力が必要です。
本質からずれた指摘を全て受け入れていると、自分の仕事が膨大になり、スケジュールを守ることが難しくなってしまいます。
本質ではない指摘をかわすことは、間違いなくSEに必要な対面コミュニケーション能力といえるでしょう。
専門性の高い職業だからこそ会話は不可欠!
SEやエンジニアは専門性を武器にした職業であるからこそ、その専門性を他人に伝えるために対面コミュニケーション能力が重要となるのです。
そもそも1人だけでプログラミングを行っているわけではなく、同じ役割でもチーム内で仕事を分担していくためにも、会話が不可欠です。
「相手には分からない」と諦めずに、自分のやっていることをしっかり相手に伝えられてこそ、プロフェッショナルなSEやエンジニアといえます。