マーケティングリサーチをする上では欠かせないアンケート。しかし、苦労してアンケートをとったのに欲しい回答が得られなかった、回答結果を活かせていない、といった方も多いのではないでしょうか。今回は、「回答から顧客のニーズが見える」アンケートの作り方についてご紹介します。
アンケートを作成する前に決めるべき2つのポイント
アンケートを作成する前に、まず次の2つのポイントを押えておきましょう。
・・1.アンケートの目的を明確にする
最初にすべきは、当然ですが「アンケートの目的を明確にすること」です。目的を明確にすることで質問内容が絞られ、回答者は回答しやすくなります。一見簡単なことのように思いますが、目的を明確にできていないために、アンケートを有効利用できていないケースは非常に多いです。
・・2.ターゲットを絞る
目的が明確になったら、次はどの層にアンケートをとるべきか、ターゲットを絞りましょう。例えば、子ども用の商品を販売したい場合、子どもからの支持を得て購入へ導きたいのか、それとも大人(親)からの支持を得たいのか、それによってアンケートをとる対象が違ってきます。あらかじめターゲットを絞ることで、こちらが聞きたい層から有効な回答を得ることができます。
アンケートを作る時に押えておくべき3 つのポイント
それではアンケートを作る際は、どういったことに注意すればよいのでしょうか。有効な回答を得るために、押えておきたい3つのポイントをご紹介します。
・・1.可能な限りアンケートの目的を伝える
調査の内容にもよりますが、アンケートの冒頭で、可能な限りこちらの目的を伝えるようにしましょう。
回答者の側に立ってみると、何も知らされないままアンケートに回答させられるよりも、例えば「このアンケートは○○地区をより住みやすい環境にするためのプロジェクトに活用することを目的としています」と冒頭に伝えらえる方が、「自分の意見が活かされるかもしれない」と協力的な回答が得られます。
また、「いただいた回答はアンケートの目的以外には使用しません」等のひと言を添えれば、回答者に安心感を与えることもできます。
・・2.質問はシンプルに、しかし追求すべきことは細かく
有効な回答を得るためには、質問の数は最低限に絞ることが重要です。アンケートに応じてみたものの、長すぎる質問にウンザリして後半からは適当に回答してしまった…という経験がある方も多いのではないでしょうか。
来店目的を調べるにしても「このお店は好きですか?」という質問だけでは、
*何を気に入って来店しているのか
*何をすればもっと来客数を増やせるのか
を知ることはできません。
例えば来店理由として回答者が「店の雰囲気」を選択した場合、気に入ったのは
*店の立地なのか
*外観なのか
*内装なのか
といった細かい部分も質問するようにしましょう。
その際、質問の流れにも注意するとスムーズに回答を引き出すことができます。
例えば美容室であれば、カウンセリング→シャンプー→カットといったような流れで質問するといいでしょう。
・・3.おすすめは単一選択型!自由回答の場合は記入例を記載する
アンケートには「複数回答型」や「順位型」などさまざまな回答方法がありますが、おすすめは「単一選択型」です。
単一選択型とは、ひとつの質問に対して選択肢の中からひとつだけ答えを選ぶ形式のものです。回答者の負担が少なく、集計もしやすいという利点があります。
多くのアンケートでは、最後の質問に「ご意見などを自由にご記入ください」といった自由回答の部分がありますよね。
しかし「自由に」と言われると、回答者は何を書くべきか考えてしまい、結果的に「特になし」などと書いてしまうことも少なくありません。
そこで「例:○○が□□だったため、△△に改善して欲しい」といったように記入例を示すことで、回答者は「マイナスの意見も書いて良いんだな」と回答がしやすくなります。
ニーズの見えるアンケートをとるには、回答者が答えやすいアンケートを作ることが重要です。
まずは目的を明確にし、あくまでも「回答してもらう」ことを念頭にした、優しいアンケートを目指しましょう。