IT化によって日々の業務効率がアップし便利になる一方で、ひとたび情報流出が発生してしまうと完全に解決することは難しく、企業としての社会的信用の失墜や損害は計り知れないものです。
今回は、そんな情報流出を防ぐための最も一般的な方法ともいえるファイルのパスワード利用について、そのメリットやデメリットをはじめ、設定方法や管理方法をご紹介します。
パスワードをかけても、セキュリティが弱いと危険!
情報を守るにはどうすれば良いかと考えた時に、最も簡単で身近な方法はやはり、パスワードを設定することでしょう。
しかし、パスワードは必ずしも万全ではありません。
ときおり企業の個人情報の漏洩がニュースで流れることがあるように、パスワードをかけたとしても、セキュリティが弱ければ、いまは簡単に情報が漏れてしまうような時代なのです。
・パスワードのメリット
*誰にでも扱いやすく汎用性が高い
*コストが安い
*変更しやすい
パスワードのメリットは、なんといってもその馴染みやすさでしょう。
パスワードを設定し、そのパスワードを覚えるだけという簡単な操作で情報が守られるので安心です。
改めて専用のソフトを買わなくても、OSやオフィスソフトには元々搭載されているので、コストも手間がかかりません。
・パスワードのデメリット
*パスワードを盗まれても盗まれたことに気づきにくい
*パスワードを忘れてしまう可能性がある
*悪用する側に推測されやすい
パスワードを設定する際は忘れないように覚えやすいものにする傾向が見られます。
しかし、そこを突いて悪用し、パスワードを推測されてしまうことがあるのです。万が一パスワードを利用されても、損害を受けてから悪用が発覚するため、漏洩の被害が大きなものになってしまいます。
パスワードは手軽で有効な反面、悪用されると非常に危ない状況に陥ってしまうため、推測されにくいパスワードを設定し、かつ安心安全に管理する方法が求められています。
パスワードの設定方法
これまでみてきたように、パスワード設定・管理はパソコンやスマートフォン・サーバーを安全に利用する上では不可欠です。
適切なパスワードの扱い方をするためにも、以下ではパスワードの設定・管理方法をご紹介します。
1.ファイルにパスワードを設定する(Microsoft Officeの場合)
①各ソフトの「ファイル」をクリック
②「文書の保護」をクリック後、さらにプルダウンメニューから「パスワードを使用して暗号化 (E)」をクリック
③現れたパスワードボックスに任意のパスワードを入力し、「OK」をクリック
④パスワードの確認をされるため、再度同じパスワードを入力し、「OK」をクリック
以上の4ステップで文書が暗号化されました。
暗号化された文書を開こうとすると、パスワードの入力ボックスが現れます。正しいパスワードを入力して「OK」を押すと文書が表示されます。
2.パスワード管理方法 ——— パスワード管理ツールを利用する
パスワードの管理方法は紙に書いてみたり、エクセルファイルに記入して暗号化したりと様々なものがありますが、中でも今回おすすめしたいのは「パスワード管理ツール」です。
パソコンやスマートフォンをはじめとする複数の端末で共有が可能なので、まとめて管理できる上、自動ログイン機能も搭載されていることが多く、非常に優れたツールとなっています。
ツールによってはスマートフォンだけでパスワードを管理するもの、パソコンとスマートフォンで併用可能なものなど特色があります。用途に合ったツールが選べるのは嬉しいですよね。
最近ではクラウド上で管理できる形式の管理ツールを導入している企業が増えてきているようです。
有料で提供しているものが多いのですが、体験版として無料で配布されているものもあり、まずはそちらを利用してから有料版を検討してみるのも手ではないでしょうか。
お客さまからの信頼を落とすことなく安全で健全な企業を目指すためにも、ぜひパスワード管理ツールを活用してみましょう。