社内SNSが定着しない理由と定着させるためのポイント!

 

FacebookやTwitterなど、プライベートでの利用はもはや当たり前になったSNSですが、近年、社内においてもSNSを導入する企業が増えています。

しかしながら、実際は利用率が低く機能していない、活用されることなく自然消滅した、などといった声も多く聞かれ、米国の調査会社・ガートナーの調査によると、企業における社内SNSの定着率は10%程度とも言われています。

個人にはこれほどまでに定着しているSNSが、なぜ社内では定着しないのでしょうか。今回は、社内SNSが定着しないその理由と、社内SNSを定着させるためのポイントをご紹介したいと思います。

 

社内SNSが定着しない主な理由は3つ

個人で利用するSNSが定着しないのは、そもそもSNSに興味がなかったり、メンバーとの交流が少ないなどの理由が考えられますが、個人で使う分にはSNSのヘビーユーザーであっても、社内SNSの場合は次のような理由から定着しないことが数多くあります。

 

①導入目的が明確でない

社内にSNSを導入するのは、社員間のコミュニケーションの活性化や、気軽に情報共有をすることが目的であることは少なくありません。しかしSNSとは別に社内メールの機能が十分に発達していたり、あまりにも用途が自由すぎると、結局どういう場面で使うべきなのかがわからず定着しません。

 

②一部の人だけで盛り上がる

筆まめな人とそうでない人がいるように、当然ながらSNSにおいてもマメに反応する人とそうでない人がいます。特に業務外ともいえる社員間のコミュニケーションを目的としてSNSを利用する場合には、公私混同を避けたい人もいるため、一部の人だけで盛り上がってしまい、結果的に利用者が限定されることになります。

 

③上司の目が気になる

本来、取締役なども含めた全ての社員が社内SNSによってコミュニケーションを図ることができれば素晴らしいのですが、そうは言っても、部下という立場の者からすると上司の目はやはり気になるものです。

上司に気を遣うあまり容易に発言ができない、上層部の社員にはユーザー権限はないが、実は監視されているのではないか、といった疑念から積極的に発言をする人がいない、などということも社内SNSが定着しなかった事例で多く見受けられます。

 

社内SNSを定着させるためのポイント

 

 

では、上記でご紹介した「社内SNSが定着しない理由」を踏まえながら、「社内SNSを定着させるために注意すべきポイント」をご紹介したいと思います。

 

・ルールを決める

「他の企業でも導入が進んでいるから」「社員間のコミュニケーションを活性化したいから」といった漠然とした理由だけで社内SNSを導入することは失敗を招きかねません。

例えばひとつの業務やプロジェクトに関する情報共有のみの利用や、業務内容以外の雑談のみの利用に限るなど、「誰が」「何のために」「どのような情報を」共有するのか、といったルールを決めておくことが重要です。

 

・必要に応じて利用制限をする

役員など発言に特に影響力のあるメンバーの場合、目的によっては時に参加を控えることも必要でしょう。

もし参加をする場合は、監視役にまわらず積極的に発言をしたり、特定の部署や個人を糾弾するような発言はしないなどの配慮は不可欠です。運営に問題が生じないのであれば、ユーザー権限がない人は絶対に閲覧ができないインターフェイスにしてしまうことが利用者にとっては最も安心できる方法です。

 

・関心の低い人を放置しない

たとえ10人に満たない小さなグループであっても、やはり発言を頻繁にする人とそうでない人の差は少なからず生じてしまいます。社内で利用するものですので、発言はせずとも情報を確認することは当然ですが、SNS上の管理者をあらかじめ決めておいて、発言がない社員には話題を振ってみたり、全員が発言する機会を積極的に作るなど、関心の低い人を放置しない工夫をしましょう。

 

・使いやすいSNSを選ぶ

すでに社内メールやテレビ会議などのコミュニケーションツールが十分に機能している場合、SNSの必要性が特に感じられなかったり、SNSの使い勝手が悪く結局利用されないということもあります。

 

既存のツールと使い方が似ていたり、パソコンが苦手な人でも使いやすいツールを選んだり、既存のツールではできない便利な機能があるなど、使いやすく利用する価値のあるSNSを選ぶことも重要です。

 

社内SNSと一口に言っても、その目的や利用人数、インターフェイスの種類も様々です。

しかし、いずれにしても社内SNSを定着させるためには、まず導入前に目的を明確化させること、実際に導入した場合のシミュレーションを入念に行っておくことが非常に重要と言えるでしょう。

 

社内SNSはあくまでも業務効率を向上させるためのツールであることを忘れず、まずは本当に必要なのかというところから、熟考をした上で導入されることをおすすめします。