総務省が2015年に開始した事業が「ふるさとテレワーク推進事業」です。
地方創生に関係する事業ということは知っていても、詳しくは知らない人も多いのではないでしょうか?
今回の記事ではふるさとテレワーク推進事業について知っておきたいポイントをまとめていきます。
ふるさとテレワーク推進事業の目的は地方地域を盛り上げること
「地方創生」は近年メディアでもよく目にする言葉のひとつです。
地方創生とは「東京に集中する人や仕事を地方へ流して日本全体を盛り上げる」という意味になります。
「ふるさとテレワーク推進事業」は、その地方創生の手段です。
テレワークとは「ICT(情報通信技術)を活用した場所時間にフレキシブルな働き方」のこと。
パソコンやスマートフォンなどの情報機器が発達した現代ならではの働き方と言っていいでしょう。
【POINT】オフィス開設の費用を国が一部負担してくれる!
ふるさとテレワーク推進事業では、企業や自治体が地方にテレワークセンター又はサテライトオフィスを設けるための費用を国が一部支援します。
地方に拠点ができると、都市で行われていた仕事を地方の拠点で行えるようになるでしょう。
また、地方で新たに働く人を探すこともできます。
こうすることで都市に集中していた人や仕事が地方に流れるようになり、地方の盛り上がりにつながるのです。
テレワークセンター・サテライトオフィスが大きなポイント
都内の企業で働いていた社員が何らかの理由で故郷がある地方で生活することになった場合、その企業は貴重な人材を失うことになります。
また、社員側も仕事を失うことになるため、両方にデメリットが生じます。
その解決策が「テレワークセンターまたはサテライトオフィスの設立」です。
*テレワークセンター…複数の企業が提供する共有スペース
*サテライトスペース…企業本社から離れた場所にあるオフィス
これらの作業スペースを企業が地方に設置することによって、企業は地方で生活する人材をキープすることができるようになります。
また、現地の人材を雇うことも可能なため、結果的には都内一点集中の状況を打開し、地方の活性化につなげることができるのです。
助成金の支給額は100万円から最大なんと3,000万円も
ふるさとテレワーク推進事業では対象となる補助事業者に対して最低100万円から最大3,000万円の助成金を与えています。
もちろんですが、支給された助成金はテレワークセンターまたはサテライトスペース整備など事業に関係するもの以外には使うことができません。
助成金に計上できる経費を大きく分けると、設備備品など物品費、工事費用などの一般管理費、その他になります。
詳しくは総務省HPの関係資料等の「別紙1 平成29年度予算ふるさとテレワーク推進事業実施要領(URL: http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01ryutsu02_02000166.html)」をご覧ください。
知っておきたい助成金を受けるための7つの条件
ふるさとテレワーク推進事業で国から助成金を受けるためにはいくつかの条件を満たしている必要があります。
「平成29年度予算ふるさとテレワーク推進事業実施要綱」(URL:http://www.soumu.go.jp/main_content/000475196.pdf)に載っている条件は、全部で7つです。
*条件1*
交付要綱を守っていること
交付要綱はこちらで確認できます。
(URL:http://www.soumu.go.jp/main_content/000475202.pdf)
*条件2*
テレワークセンターまたはサテライトオフィスは首都圏・中部圏・近畿圏の該当区域以外の地域に設置すること
*条件3*
地方移動者が1人以上発生し、整備したテレワークセンターまたはサテライトスペースで一定期間以上働くこと
*条件4*
テレワーカーはテレワークを活用して都市部での業務を一定期間以上継続して行なうこと
*条件5*
事業者は交付要綱第4条第1項に規定する者であり、地方公共団体、民間企業、大学、NPO法人などコンソーシアム(共同事業体)の代表機関であること
*条件6*
コンソーシアムに含まれる地方公共団体が定める対外的な計画や戦略などにふるさとテレワークに関する取り組みを推進している内容が記載されていること
*条件7*
総務省の「ふるさとテレワークポータルサイト」への情報掲載など、ふるさとテレワークの更なる推進のために協力すること
以上7点がふるさとテレワーク推進事業で助成金を受けられる条件となっています。
ふるさとテレワーク推進事業が日本人の働き方を変えるキッカケに
今回はふるさとテレワーク推進事業について解説しました。
近年、日本政府は国民の働き方を再定義する試みに挑んでいます。
それにより、国民の「ワークライフバランスの向上」、つまりは「仕事と生活を調和させることによって仕事と生活の両方を充実させること」を目指しています。
そして、その代表的な例が今回ご紹介したふるさとテレワーク推進事業です。
今までは地方移動者は都内で行っていた仕事を諦めるしかありませんでしたが、テレワークの登場により地方でも同じ仕事を続けることが可能になったのです。
日本人の働き方が大きく変わる可能性を秘めているふるさとテレワーク推進事業。
助成金も利用して、地方での事業展開を賢く進めましょう。