CRM活用の目的は、既存顧客の満足度を上げ、リピーターを作ることでもあります。
分かっているようで、分かりづらい、LTVについての解説と、CRMの活用術をご紹介していきます。
CRMを活用して顧客満足度を高めればLTVも高まる
CRM(カスタマー リレーションシップ マネジメント)は、顧客との関係を適切に管理し、個々の顧客のニーズに応じたマーケティングを実現する経営戦略です。
CRMは新規顧客の獲得だけではなく、既存顧客との継続的な取引の為にも活用されます。
そして、CRMの活用により、顧客との適切な関係を築くことで、LTV(ライフタイムバリュー)を伸ばすことができるのです。
CRMで高める顧客満足度と顧客ロイヤリティ
・・顧客満足度を上げる為のCRM
顧客との関係性を重視したサービスは、顧客の満足度を自然と高めます。
「クレームをしっかり受け取ってくれた」
「継続的に購入していることへの感謝が、きちんと伝わってくる」
「営業の担当者が変わっても、以前と変わらないかそれ以上のサービスをしてくれた」
など、CRMにより顧客とのやり取りをスムーズに行なうことで、顧客は満足し続けるでしょう。
・・顧客ロイヤリティを高める為のCRM
個々の顧客のニーズに合ったアプローチをすることで、顧客のロイヤリティを高めることができます。
「購入前のちょっとした懸念事項について、購入後にもきちんとフォローがあったので、この企業の商品なら安心」
「とても気持ちの良い買い物ができたので、この企業の他の商品も試してみたい」
「この企業はサービスに不満があってもきちんと対処してくれる。今後も使い続けよう。」
などと、ロイヤリティの高い顧客(商品や企業への信頼や愛着の高い顧客)を獲得することができるのです。
このような顧客は、サービスへの満足度が高いだけではなく、サービスやそのサービスを提供する企業のファンとも言える存在です。
LTVとは顧客がもたらす通算利益
既存顧客の満足度や、ロイヤリティをはかるのは難しいですね。
LTVを計算すると、顧客の価値を見極められます。
また、LTVは「顧客生涯価値」と訳されるため、「顧客が一生涯で企業にもたらす利益」と取ることが多いですが、一生涯ではなく単純に「企業にとって顧客である期間中に、その顧客がもたらす通算利益」と考えるとわかりやすいです。
・・LTVの計算方法
LTVの計算方法はいくつかありますが、代表的な例を見てみましょう。
LTV=顧客が購入した商品の「単価−原価」×購入回数
例えば、
「1,000円(原価500円)の商品」を
「毎月1個」
「5年間」
購入する顧客のLTVは、
(1,000円−500円)×12回×5年=30,000円です。
これに対し
「750円(原価500円)の商品」を
「毎月1個」
「10年間」
購入する顧客のLTVも、
(750円−500円)×12回×10年=30,000円です。
また、「100,000円(原価70,000円)の商品」を
一回のみ購入した顧客のLTVも30,000円です。
購入頻度、購入単価、コスト(原価)のバランスが大事なことがわかりますね。
特に、継続的な購入が見込めるサービスについて、コストをどのあたりに設定すれば利益が出るのかを、見極めるのに役立ちます。
このようにLTVを計算することで、一度の取引での利益だけにとらわれずに、今後を意識した顧客との関係づくりができるのです。
CRMを活用して顧客の心を動かすマーケティングを実践することで、顧客の満足度を上げつつ、LTVも高める。
これこそが、企業にとっても顧客にとっても最良な関係でなないでしょうか。