ビジネス用語、マーケティング用語など、ビジネスをするうえで無意識のうちに使っているさまざまな社内の用語。
なんとなくこんな意味だろう、といった感じで使用している方も多いのではないでしょうか。
今回は、それらの用語を正しく理解することの重要性と、社内の用語を快適に使うための方法をご紹介します。
便利なはずの社内用語がトラブルを生む!?
例えば「ホームページのデザインを一新してください」という指示があった場合、サイト全体のデザインを変更する必要があると捉える方は多いのではないでしょうか。
しかし、用語本来の意味を素直に解釈した場合、サイト全体を意味する言葉は「Webサイト」であり、「ホームページ」はそのWebサイトの最初のページ(トップページ)を意味します。
そのため今回の例のような指示では、実際に変更する必要があるのはそのサイトの最初のページのみということになります。
前後のやりとりの中でその用語が何を指しているのか理解できることは多いものの、この例のように実は間違った使い方をしている用語は少なくありません。
ビジネスの場においては咄嗟に「その言葉はどういう意味ですか?」などとは尋ねにくいものです。
特に取引先など、社外の人に対しては尋ねにくいだけでなく、仮に間違った使い方をしていても指摘してもらえることは少ないでしょう。
用語の間違った認識は、本来起こるはずのないトラブルを起こしたり、特殊な社内用語を当たり前のように使うことで取引先などの相手に不快な思いをさせたりしてしまうこともあります。
用語は必ず正しく理解し、社内での共通認識を持っておくことが重要です。
社内用語を快適に使うための2つの方法
社内用語に起因するトラブルを防ぐためには、以下の2つの方法が効果的です。
1.共通認識のための仕組みを作る
2.用語に依存しない仕組みを作る
それぞれ詳しくみてみましょう。
・・1.社内用語辞典・社内Wikiを作る
社外の人と用語について共通認識を持つことはなかなか難しいですが、社内であれば社内用語辞典や社内Wiki(社内の人間のみが閲覧できるWebサイト)を作ることで簡単に共通認識を持つことが可能です。
まずは社内の資料を見たり社員への聞き取りを行ったりして、社内でよく使われる用語を選定します。
次にそれらの用語の正しい意味や、社内での正式な使い方などを検討したのち決定し、掲載するのです。
用語の数が増えたり、掲載内容が無秩序になることで混乱が生じたりすることもあるため、誰でも入力ができるようにするのではなく、できれば社内用語をまとめるための担当者やプロジェクトを作り、そこで許可を得た用語のみを掲載する形を取るとよいでしょう。
また、定期的な用語の追加や削除、修正なども必要です。
・・2.社内用語に依存しない仕組みを作る
社内用語辞典や社内Wikiを活用したとしても、やはり用語が多くなると覚えきれなくなったり、社内用語辞典や社内Wikiの確認をしなくなったりといった混乱も生じかねません。
また、新入社員や異動してきた社員にとっては、新しく用語を覚えるための時間も必要になります。
例えば、すべての取引先が日本語しか使用せず、今後も使用する予定がないのであれば、わざわざ英語を覚えて社内で使用するのは無駄でしょう。
それと同じで、マーケティング用語やビジネス用語、業界の専門用語などであれば、その意味を正しく認識していれば社外で利用することも可能ですが、社内用語は社内でしか使えませんので、本当にそれらを使うことが便利なのか、今一度見直す必要があります。
一見便利そうに思える社内用語ですが、依存しない仕組みを作ることでかえって快適になる可能性もあるのです。
用語は適切な場面で適度に
ビジネス全般において言えることですが、用語はわかりやすいかどうかがポイントです。「デキる人」が使うイメージのさまざまな用語が、実は使えば使うほど「デキない人」にしているのかもしれません。
その用語を使うことは本当に適しているのか、よく考えて使いたいものです。