近年、他社との競争に勝つことを目的に「ビッグデータ」の分析に取り組む企業や、活用を検討する企業が増えてきています。
このビッグデータの分析結果を利用すれば、より的確にユーザーのニーズに対応したり、独自のアイディアを生み出すチャンスを得たりすることが可能になります。
ビッグデータの概要と、ビッグデータ分析がマーケティングに役立つ2つの理由をご紹介します。
ビッグデータはマーケティングに役立つ多様で膨大なデータ
ビッグデータには明確な定義はありませんが、Webサイトの閲覧履歴やスマートフォンのGPSから得られる位置情報など、基本的に日々リアルタイムで発生し続ける、多様で膨大なデータのことを指します。
そのデータ量は数十TB(テラバイト)や数PB(ペタバイト)といったサイズにも及び(※1)、それまでの情報技術では扱うことができなかったほどです。
こうしたビッグデータの分析を活用すれば、従来のように経験や勘に頼るだけでは考えられなかった、データに基づく的確で効率的な施策を打つことが可能になります。
つまり、より精度の高いマーケティングを行うことができるのです。
※1総務省「平成24年版 情報通信白書」より
http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h24/html/nc121410.html
ビッグデータの分析がマーケティングに役立つ2つの理由
ビッグデータの分析がマーケティングに役立つ理由には、例として以下のような点が挙げられます。
理由1.各客層や各ユーザーに合わせたサービスで満足度を高められる
ビッグデータを活用すれば、各ユーザーにとってより良いタイミングに、よりふさわしい内容の情報を提供することができ、ユーザーの満足度を高めることが可能です。
・・活用例1.位置情報の活用でターゲットに合わせて広告を配信
携帯電話・スマートフォンから得られる位置情報データを活用し、ターゲットを絞って広告を出すことができます。
例えば各ユーザーについて、「何曜日のどの時間帯にどんな場所にいることが多いのか」といったデータから客層を分類し、客層ごとに最適な広告を配信するという方法が可能になります。
また位置情報によって、店舗の近くにいると認識されたユーザーのスマートフォンにその店舗の広告を配信したり、プッシュ通知でクーポンや来店ポイントを配信して集客を促すといった取り組みも行われています。
・・活用例2.購買履歴から一人ひとりに合わせた商品をオススメ
ユーザーの購買履歴やWebサイト上での動きを分析することで、一人ひとりの好みや目的に合わせた商品をレコメンドすることができます。
例えばネットショップなら、購買履歴や閲覧履歴からユーザーの興味の対象やユーザー像を推測し、次に購入してもらえそうな商品を「おすすめ商品」として紹介することが可能です。
理由2.手つかずの部分も多くアイディア次第で差をつけられる
上記にもある通り、ビッグデータはかつての技術では扱えなかったほど大規模なデータです。
つまり、その中にはまだ他社には使われていないデータが存在しているということになります。
他社も見つけられなかったような新たな価値をビッグデータの中から見つけることができれば、新しい商品・ビジネスを生みだすチャンスを得られ、他社と差をつけることができる……そんな可能性を持つからこそ、今ビッグデータはさまざまな企業から注目されているのです。
ビジネス競争に勝つためにビッグデータを効果的に活用しよう
やみくもに情報提供を行うだけでは、各ユーザーの期待に応えることができず、せっかく発信した情報も無意味になってしまいます。
他社と差をつけるには、ビッグデータを分析し、ユーザーの満足度を上げる独自の施策を考えていくことが重要だと言えるでしょう。