働かずに収入??ベーシック・インカム制度で働き方はどう変わる?

 

世界各地で導入実験が行われている「ベーシック・インカム制度」とは、最低限生活できる程度の収入として、政府が国民全員に一律の支給額を与えるという保障制度です。

 

この制度の特徴は労働の有無や所得額に関わらず、国民なら誰にでも支給されるという点です。

労働や生活保護で生活費を得るといった現在の生き方・働き方を大きく変える制度として、働き方改革が進む日本においても注目を集めています。

 

しかしベーシック・インカムという言葉を見聞きする機会は増えたものの、実際に導入するとどうなるのかという疑問を持たれている方も多いのではないでしょうか。

 

そこで今回は、このベーシック・インカム制度導入を目指している国の現状や、制度によって働き方がどう変わるのかについて解説したいと思います。

 

 

各国で進むベーシック・インカムの導入実験

 

実は、現状においてベーシック・インカムを本格的に導入している国は存在しません。

しかし、本格導入を目指してフィンランド、オランダ、アメリカなど世界各国でベーシック・インカムの導入実験が進んでいます。

 

例えばフィンランドでは、ランダムに選ばれた失業者2,000人に対し、2017年1月1日〜2019年12月末の2年間、月約560ユーロ(約73,279円※1)を支給するという実験が行われている最中です※2

 

この実験では、毎月最低限の収入を与えることで失業率が改善されるかどうかを確認するという狙いがあります。

というのも、フィンランドの失業手当というのは比較的その支給額が高く、場合によっては受給者が働きだすことで手当を受けているときよりも生活が厳しくなることが問題になっているのです。

 

同じような問題は日本の生活保護制度においても起きていますので、この実験に良い結果が表れれば、今後日本の労働環境や生活保護制度にも大きな影響があるかもしれません。

 


※1 2018年4月4日現在

※2 参考元:「月約7万円無条件支給、フィンランド「ベーシックインカム」試験」(AFPBB News)

http://www.afpbb.com/articles/-/3115074


 

 

ベーシック・インカム導入で期待される働き方の変化

 

ベーシック・インカムが導入された場合、働き方に関して主に以下のような恩恵を受けられる可能性があります。

 

1.理想とする働き方を選んだときのリスクが小さくなる

最低限必要なお金が常に確保できるため、各個人が理想とする働き方を選んだときのリスクがこれまでより小さくなることが期待されます。

 

例えば、生活が不安定になりがちな仕事(芸術関連など)や起業、転職活動などは、これまでよりも挑戦しやすくなるでしょう。

 

また、少しだけ収入を足せば十分という人は、賃金額にとらわれることなく負担の少ない仕事に就き、必要とする分だけ働くといった働き方もしやすくなるのではないでしょうか。

 

 

2.希望しない仕事や無理な働き方を回避できる

ベーシック・インカム制度により基本的な収入を得られるため、生活費に困って希望しない仕事や行きたくない会社で働かざるを得ないという状況を回避することも期待できます。

 

労働者側が仕事を選択しやすくなれば、労働搾取するようなブラック企業が成り立たなくなるほか、会社側により良い条件を求めやすくなり、働きやすさが高まることが考えられるでしょう。

 

 

3.生活保護で生活していた人が働きやすくなる

生活保護とは違い、ベーシック・インカムは仕事に就くことで支給額が減ったり打ち切られたりするというものではありません。

 

そのため、これまで生活保護がなくなることを恐れ働くことをためらっていた人も働きに出やすくなるというメリットが生まれるでしょう。

 

 

ベーシック・インカムはより良い働き方を叶えるかもしれない

実際にベーシック・インカム制度を導入するなら、財源をどこに置くかなどの問題もクリアしなければなりません。

しかし、もしうまくいけば、社会が大きく変化し満足度の高い生活を送れる可能性もあります。

 

導入実験は既に活発に行われていますから、近い将来その効果が明らかになることも増えてくるでしょう。

 

ベーシック・インカム制度は絵空事ではなく、私たちの働き方を大きく変えるかもしれません。

引き続き今後の動向に注目しましょう。